(348.9m)
茶臼山
 茶臼山は光市との境界にあり、また、光側からは車道で懸山まで登れるので、下松の山という感じはない。しかし、「星降る街」下松の歴史・伝説には重大な意義のある山だ。推古朝の頃、琳聖太子の来朝を前にして、北辰星が降臨し、妙見社が桂木山(笠戸大橋のある宮ノ州の先端にある小山、麓には三角縁神獣鏡の出土した宮ノ州古墳が存在した)に建てられ、その後高鹿垣(茶臼山)に移されたが、山頂からの光が海上を照らし、船の航行を悩ましたため、神威を畏れ鷲頭山に移されたとの伝説がある。また、鷲頭氏の山城があったといわれている。山頂は狭いが、瀬戸内海の絶景が見られるのでぜひ、登ってほしい。
(豊井コース)下松駅北口に降り、北進すると下松小との交差点に出るので、市道中央線を右折し、下松中、日立病院、日立グラウンドを過ぎ、道が少し登り始めたら、三差路に出るが、狭くなった道を直進する。豊井小の西端を左折し、小道を行き階段を上ると八坂神社に出る。なおも、山道を進むと188号線バイパスに出るので、高架橋「豊井歩道橋」を渡り、山側の中電巡視路を進む。ずっと鉄塔を目印に進み、NTT浅江中継所への道を左折し、巡視路から離れ、少し歩き、山頂直下の巨岩を見て登ると、海軍省標識のある狭い山頂。この巨岩が、伝説の怪光を発していたのではないかと思う。ベンチがあるので、ゆっくり景色を楽しもう。なお、この道は、狩猟期にハンター、猟犬と出くわすことが多いので注意が必要。(94.12.30)
(寺迫コース)登山口は、市道中央線を日立グラウンド、宮前寮の前をすぎ、左手に駐車場を見て、日立乗越クラブに出会うので、左折すると188号線バイパスの寺迫高架橋をくぐり、山への道を進む。何カ所か分岐はあるが、いずれも大きな道のほうをすすみ、ミカン園をすぎ、峠の広場に出る。右側にハイキングコースの看板があるので、山道に入る。なお、2万5千分の地形図では、もっと南側から破線の道があるようになっているが、現在ではここから尾根道に入るので注意が必要。一部、笹が茂っている所もあるが、巡視路では味わえない山道の楽しさが味わえるコースだ。4番目のピークからは直下に青い大谷ダムを望むことができる。15個のピークをすぎて、尾根道が登り始めると山頂に到達する。(95.12.30)
 父を連れ、豊井コースから登る。山頂でたばこを吸う父としばし2人だけの時間をすごす。(98)
その父はもういない。この山に再び登るまでにはかなりの時間が必要だ。