大将軍山  (486.2m)
 どこの市町村でも、その市町村を代表する山があり、公民館等主催の新春登山案内が新聞に掲載されることが多い。ところが、下松市にはそのような山はない。茶臼山あたりは景色も良く、初日の出がきれいと思われるが、光市との境界にあるため、下松の山という意識は薄い。鷲頭山(中宮)は初詣に登る人はけっこういるが、登山という感じはない。久保の烏帽子岳は、隣の熊毛の虎が岳の方が有名になってしまった。いずれも光・熊毛との山塊の山で決定的なものがなかった。ところが、下松を代表する山の新星が現れた。それが大将軍山だ。
(瀬戸コース)
 下松のCATV「K・ビジョン」で初めて大将軍山を知る。米川後山コースはよくわからないので瀬戸コースで挑戦。登山口を米泉湖畔の野外音楽施設「ビッグウィング」とする。ここには、バス停があるのだが、花岡駅前から温見方面のバス便に適当な時刻のものがない。花岡駅から県道下松鹿野線を1時間以上歩く必要がある。華陵高校前で急カーブし、長い米川隧道を抜けると、いきなり米泉湖である。「ビッグウィング」を過ぎ、左カーブの山側に案内板がある。河内神社への参道が崖に取り付けられている。河内神社からしばらく竹林が続く。険しい植林帯をトラバースする小道が続き、次第に雑木林が濃くなってくる。岩ががれており、作業用の山道もあまり使われていないらしく、手つかずの常緑林がある。険しく崩れた箇所が何カ所かあり、沢の音が聞こえてくると、大きな石組み(堰提?)が見えてくる。このあたり、独特のカエルの鳴き声。ここを再びトラバースし、坂道を行くと、やっと尾根道に出て後10分とあるがこれからも坂は続き、山頂ではばてばて。
 山頂は石祠と海軍要港境界標の石柱と三角点。大きく切り開かれており、2つの湖(米泉湖、温見湖)と下松市街が一望できる。北面に熊毛烏帽子ヶ岳、東面に茶臼山、烏帽子岳、虎が岳の山塊。さすが、海軍要港境界標が立っていただけの絶景。どの登山ガイドにも載っていないので、昔ながらの山道はあったとしても、最近、頂上を切り開いて登山者が増えた模様。登山道の概念図が立て札に張ってある。米川の後山バス停から登る道があるようだ。山頂は絶景だが、それまで、一切景色が見えないので、いつもは雑木林が心地よいのだが、これだけ荒れていると、ヤブこぎに近いような道になり、一人では不安を覚える山だ。道はしっかりテープが付いており迷うことはない。下松を代表とする山になりそうだ。(99.05.02)
(後山コース)
 ちょんまげのように見える山頂が特徴の山といえば秋芳町の桂木山だが、下松公園から見えるちょんまげ状の山はいまや周南の名山となった大将軍山だ。昨年の瀬戸コースがきつかったので、今回は別コースと思い、MTBで米泉湖畔を走り、米川部落を過ぎ「滝の口親水公園」バス停を過ぎると、何と次に「大将軍山登山口」バス停がある。残念ながら、瀬戸コースと同じバス便しかないので、あまり役にはたちそうにはない。後山橋を渡った所に倒れた看板と地図がある。林道をしばらく行くと、カーブミラー、直進登山口、右折は作業道とあるので直進する。真砂土の崖の下に地蔵尊。さらに行くと、左側上手に釣り堀があり道が左折するが左折せず、小道を直進し、農家の前を過ぎていくと鞍部に出る。そのまま直進すると茅葺きの農家に出るが、右折し、土窯のある尾根道を行き、谷をトラバースし、右へ曲がり尾根道を行き、植林帯の中でトラバースし、林が薄くなると、いきなり山頂に出る。瀬戸コースより自然感があり、道も良い。いつまでも去りがたい山頂だ。(00.05.07)
 久しぶりに再山行。登山口のバス停から後山橋を渡ると左に大きな看板、右に石碑が新設されている。カーブミラーからはちょんまげ状の山頂が見える。林道田屋大将軍線への分岐を直進すると、左側に地区の掲示板があり、大将軍山と八畳岩温見ハイキングコースの詳細なルート図が掲示されている。この先、現在、拡幅工事中であるが、道が狭いので、このあたりで駐車した方が良い。地蔵尊に今日の山行の無事を祈る。釣り堀への分岐を直進し、農家の前の小道を進み、峠を右折し、谷をトラバースする道を進む。猪の掘り返しが多い。霜熔けで道が滑りやすい。今回はMTBを押しながら歩くので急坂にあえぐ箇所もあるが、あっけなく山頂に。山頂からは北面に雪をかぶった山々がアルプスのように見える。石ヶ岳、長野山、馬糞が岳、羅漢山か。熊毛烏帽子ヶ岳、物見ヶ岳、高照寺山、氷室が岳、琴石山、石城山、大島アルプス、皇座山、虎が岳、下松烏帽子が岳、茶臼山、四熊ヶ岳。南面には、徳山・下松湾、笠戸島、遠くに大分県.。直下には、北の温見ダム、南の米泉湖と二つの湖を見ることができる。林道田屋大将軍線ルートは山頂直下がすごい急登のようだ。また、林道田屋大将軍線へは県道下松鹿野線の下谷からも登山口があるようだ。冬晴れの日、この山頂からはすごい景色だろう。由布岳が見えるというのもうたい文句だけではなそうだ。(03.02.02)

(※ MTBに乗ったままの登下山は危険かつ不可能です。どうしても、山頂にMTBを持ち上げたい場合は、山道を荒らさないためにも、押して歩くか、担いであがりましょう)