碁盤ヶ岳  (551.0m)
 県内の山に登っていると、ふるさとの自然を愛する地元の人とふれあうことがある。この山もそのふれあいが印象に残っている山だ。
 前夜からの雪で山口発萩行きのバスはノロノロ運転。途中で雪中に突っ込んで放置された車5〜6台。東萩駅から松蔭神社を過ぎ、東光寺の看板から右折、人丸神社の看板、鳥居をみて人丸神社に到着。ここから桜谷川沿いの林道は自然感があり、水は清らかで気持ちよい。途中の馬頭観音を掃除にいくというおばあさんに出会い、そこまで一緒。昔、鳥越から松下村塾に通った人が馬が倒れ亡くなった所に馬頭観音があるということ。おばあさんと別れ、峠を登り切る鳥越に出る。鳥越も新しい林道が工事中で、どれがメインルートが迷うが古い民家の前を通り過ぎ、沢沿いの道に入る。竹、草が生い茂り、通過困難で難渋する。2番目の渡渉点を渡り山道に入るが、一カ所50センチの道を残し崖崩れしている地点があり、おそるおそる通過。登山口の標識から左の急な尾根道を登るが、雪のため滑る山頂からは日本海が少し見える程度。下りは10回以上転ぶ。
 帰りも、前のおばあちゃんと一緒。鳥越の山が買収され保養所が建つらしいこと。鳥越は空気、水もきれいで日当たりも良く米も良く育つとのこと。確かに、鳥越は峠越えの明るい小盆地で桃源郷のような雰囲気がある。山には猪、猿も出るとのこと。そういえば、山道に足跡、山頂には糞があった。猟犬を乗せた車とすれ違ったが、もう、狩猟期は終わっているはずだが。ちょっとお茶をと言われるが、バスの時刻が迫っているため、人丸神社前で別れ、ようやく、13時35分のバスに乗る。なお、この山は初心者の単独行は避けた方が良く、夏は草も多いので登山不可と思われる。(95.03.05)
(追記)おばあさんとの会話と鳥越のひなびた田園風景が印象に残った山だが、林道も完成した今、どのように変貌しているのだろうか。願わくば、鳥越の桃源郷がいつまでも残っていて欲しいと思う。

 
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