日の山 (146.1m)
 日の山はどこにでもあるような裏山だが、象を思わせる山容以上に味わいのある山だ。それはこの山の地理的位置と歴史的背景にある。この山は山口湾の西側の突端的位置にあり、湾を挟んで秋穂半島の突端に相対するため、古くからのろし山と使われていた。また、遠浅の海が前面にあるため、古くから人間が生活していたようで県内には珍しい縄文遺跡「月崎遺跡」や「若宮古墳群」が近くにある。ちなみに、反対側の秋穂二島にも有名な縄文遺跡「美濃が浜遺跡」がある。
 岐波駅下車後、植松川沿いに下り、稲荷社の前をすぎ、カーブを曲がると山側に和風レストランがあるので、車道を少しのぼり、山小屋風の家の左横から岩の山道に入る。巨岩千畳敷からは弧を描く波雁ヶ浜がきれいだ。道は良く整備されている。尾根道を進むと、山頂は黒い岩がごろごろした小さな森の中。少し下ると、焼火様がある。子どもたちが缶蹴りをしている。ここで、阿知須干拓を見ながら昼食を取ると良い。石段を下りていくと、この道が参道であることがあらためてわかる。どちらかというとこの道は下りに使った方が自然が楽しめる。三叉路で右折すると稲荷社からの車道に出るので、ひきかえし、若宮古墳を見学することをおすすめする。(94.03.27)
 新しく、指導標が随所に整備された。あらためて、手頃でよい山と思う。なお、山の西側の斜面には、マムシ注意の札が2カ所見られた。(95.04.02)
 指導標が更に立派に。山頂も木が刈られ景色も良くなっている。ピクニック数パーティ。(96.04.06)
 古代の人はこの山とどのように関わって暮らしたのだろうか。そんなことを考えながら登るとまた、趣のある山だ。ちょっとした時間ができた時に、登るのによい山だ。
 なお、岐波駅から阿知須への車道の途中には県内有数の登山専門店がある。